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February 16, 2005

「梯剛之というピアニスト」

Dscn1332

モーツァルト ピアノソナタ 第5番 第17番
ベートーヴェン ピアノソナタ第23番「熱情」
       梯剛之(ピアノ)
      CD 毎日クラシックスMNCL103

多分梯の2枚目のCDだと思うのだが あまりに清澄なピアノの音そのものに
まず驚かされる。
たとえていうなら「磨きぬかれたクリスタルガラスのような どこまでも澄み渡る冬の
青空のような」ピアノの音だ。

こういうピアノがモーツァルトに大変ふさわしい。
慈しむように深い音色で演奏されるモーツァルトもよいがこのような蒸留水のような
モーツァルトもよいものだ。
特に最後のソナタである17番は今後僕の愛聴盤になりそう。

「熱情」はモノラル時代のリヒテルの怪演があるが
それとはアプローチがかなり違う。両端楽章の迫力はたいしたものだし
第2楽章の変奏曲をこれだけ変奏ごとにえがき分ける感性もすばらしい。
のだが 燃え上がるような熱情と嵐のような激しさで表現される人間の
情念といったものを 梯独特の清澄な音できかされると
なんだか名状しがたい哀しさにおそわれる。
なんだろう この感じ。
この曲をきいて こんな感情におそわれたのははじめてだ。

梯が視力を失った音楽家だということに思いをめぐらすとき
彼が他の音楽家にはない独特の境地に達しようとしているという
想像に行き着く。

アホみたいなことだが目の不自由な人がピアノを演奏して
「熱情」のような難曲を苦もなく聞かせてくれることが
驚きなのだ。
でも彼の演奏を聴いているとき 彼がそんなハンデを背負っているなんて
毛ほども感じさせない。 彼にしかできない音楽がそこにあるだけ。
梯の素晴らしさはそこにある。

いい音楽を聞かせて貰った。


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